単純保証 |
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![]() 保証はまさに担保です。人的担保です。ですから、物的担保である担保物権と、同 じような話が出てきます。 まず、次の事例を見てみましょう。 ■事例■ AがBにお金を貸しました。このとき、Bがお金をきちんと返せればよいのですが、 Bの資力に対してAは不安をもっています。そこで、Bがお金を返せなかったとき は、Cに返してもらおうとAは考えました。Cはそれを了解しました。 ■ ■ 事例のような場合、Cのことを保証人と言います。ちなみにAのことを債権者、B のことを債務者(又は主たる債務者)と言います。このような場合、「CはBの債 務を保証する」という言い方をします。 そして、Bが負担している債務のことを主債務、Cが負担している債務のことを保 証債務と言います。保証債務は、主債務に従たる債務ですが、主たる債務とは別個 の債務です。 ここで大事な事があります。Cの保証債務というのは、AとCとの間の契約によっ て成立するものです。つまり、債権者と保証人の間の契約によって成立するのです。 よく債務者と保証人の間、つまりBとCとの間の契約と勘違いする方がいますが、 間違えないで下さい。 通常、債務者から保証人に対して、「保証人になってくれ!」というようなお願い がなされるかと思います。 でも、これは保証契約の成立には、影響ありません。 もし、保証人Cと債権者Aとの間で、債務者Bに内緒で保証契約を締結したとして も、問題ありません。なぜなら、保証人Cが負担する保証債務は、Aを債権者とし Cを債務者(保証債務の債務者という意味)として成立するものですので、AC間 で契約する必要がありますし、Bに内緒で契約したとしてもかまわないからです。 保証債務というのは、主債務(BのAに対する債務です)があってはじめて成り立 つものです。主債務がなくて、保証債務だけがあるというものはありません。これ を保証債務の附従性と言います。例えば主債務が弁済によって消滅すれば、保証債 務も附従性によって消滅します。さらに、AB間の債権(主たる債務)が債権譲渡 によって移転すれば、保証債務も移転します。これを随伴性と言います。 担保物権のところでも同じことがありましたね。保証も担保である以上は、同じな のです。 ![]() 保証人というものは、本来債務者が払えなくなったときに、債務者の代わりに債権 者に対して支払う者です。ですから、債権者が、支払期限が到来したからと言って、 いきなり債務者ではなく保証人に対して、「払え!」と言いに行くことはできませ ん。 この場合には、保証人としては債権者に対して、「まず債務者に請求してくれ!」 と主張できます。これを「催告の抗弁権」と言います(452条)。 さらに、保証人としては、「債務者には、○○の貯金があるんだから、そこから簡 単に支払ってもらえるだろ!!」と主張することもできます。これを「検索の抗弁 権」と言います(453条)。 保証人にはこの2つの抗弁があります。以上2つの保証人の抗弁権については、覚 えておいて下さい。 この二つの抗弁権は、連帯保証との大きな違いです。見方を変えれば、債権者にし てみれば、この二つの抗弁権があることによって、単純保証は使いにくい(債権者 に不利)ということになります。 ■確認■ 「抗弁」(「こうべん」と読みます)とは、「反論する」とか「拒絶する」という ぐらいの意味です。 上記の場合、保証人は反論していますよね。それに債権者からの請求を拒絶してい ますよね。上記のように、反論したり拒絶したりできる権利のことを、抗弁権と言 います。 ■ ■ 無断転載・転送を禁じます。 Copyright(C)2006 後藤行政書士事務所 All Rights Reserved. |