対抗関係 |
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![]() ■事例1■ Aが土地を所有していました。Bは、Aからその土地を売買により取得しました。 ■ ■ 事例1の場合、AB間では、Aの「土地を売ります」、Bの「土地を買います」とい う口約束によって、契約が成立します。そして、契約の成立により、所有権はAから Bへ移転します。 したがって、BはAに対しては、この段階で所有権を主張できます。当事者間だから です。 もし、Aが死亡したとしても、BはAの相続人に対しても、同じように主張できま す。なぜなら、Aの相続人はAの立場(Bに所有権を主張できないという立場)も相続お り、Aの相続人は、Bとの関係では当事者間ということになるからです。 よって、BはAの相続人に対しても、主張できるのです。 ところが、Bはこのままでは「第三者」に対しては、所有権を主張できません。Bが 「第三者」に対して所有権を主張するには、対抗要件が必要です。 具体的には、不動産の場合は「登記」(177条)、動産の場合には「引渡」(17 8条)があることが必要なのです。 ■補足■ 「登記」というのは、上記の例で言えば、AB間で契約が成立し、所有権が移った後 に、必要な書類を法務局という役所に提出します。そうすると、法務局にある登記簿 に、今まで所有者は「A」と書いてあったものが、所有者は「B」と変わるのです。 その登記簿の記載のことをいうのです。 ■ ■ ここでは民法のいろいろなところで出てくる不動産について、話をしていきます。な お、ここでは所有権に限って話を進めていきますが、抵当権等、物権同士の関係にお いては、基本的に同様にあてはまります。 ![]() 第三者に対しては、Bは所有権を主張できないとしても、問題なのは、どのような者 が「第三者」なのかです。 ■事例2■ Aが、その所有する土地をBに売却しました。Bが登記を具備する前に、AはCにも その土地を売却してしまいました(二重譲渡)。 ■ ■ このような場合を二重譲渡と言います。Aを起点として、BとCに「二重に(二人 に)譲渡している」からです。まず、前提として、事例2のような二重譲渡自体は、有効 です。 二重譲渡の場合、BもCもAに対しては、登記を備えなくても所有権を主張できま す。当事者だからです。 しかし、事例2のような二重譲渡の場合、BはCに対して、またCもBに対しては、 登記を備えないと、土地の所有権を主張できません。 したがって、BにとってCは「第三者」にあたるということになります。逆に、Cに とってもBは「第三者」にあたるということになります。尚、このようなBとCの関 係を、対抗関係といいます。 では、どのような者が「第三者」なのかというと、第三者とは、「登記欠缺(「けん けつ」と読みます)を主張する正当な利益を有する者」をいいます。 上記の事例2にあてはめて、かみくだいて言うと、「B(またはC)が登記を具備し ていない(欠缺とは「ない」という意味です)ことを主張できる正当な利益を持って いる者」というぐらいの意味です。 この二重譲渡が、対抗関係になるものの典型例です。二重譲渡と言ったら対抗関係、 対抗関係と言ったら二重譲渡、と言ってもいいくらいです。 対抗関係はどういった場面の問題なのか、第三者に権利を主張するには対抗要件が必 要であるということは、とても重要なので、しっかりと覚えておいて下さい。 無断転載・転送を禁じます。 Copyright(C)2006 後藤行政書士事務所 All Rights Reserved. |