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転貸借




転貸借は登場人物が増えて、法律関係もややこしくなってきますので、苦手と している受験生も多いかも知れません。転貸借の問題が出た場合には、余白に 図などを書いて、混乱しないような工夫を各自でとりながら、問題を読み進め てください。


1、転貸借・総論
まず、次の事例を取り上げます。


■事例■
Aが建物を所有しており、その建物をBが賃借していました。そして、Bがさ らにそれをCに転貸していました。
■   ■

 賃貸人   賃借人   転借人
  A―――――B―――――C

この事例のような場合、AB間は普通の賃貸借ですが、BC間のことを転貸借 といいます。このとき、Aはもちろん賃貸人です。Bは賃借人ですが、転貸人 と言うこともあります(賃借人兼転貸人)。Cのことは、転借人と言います。

ところで転貸人Bは、賃貸人Aの承諾がなければ、建物を転借人Cに転貸でき ません(612条)。Aの承諾なく、BがCに転貸したときは、Aは契約を解 除できるのが原則です(同条2項)。

賃貸人Aの承諾を必要としているのは、賃貸借というものは、そもそも賃貸人 Aと賃借人Bとの、人と人との信頼関係に基づく契約だからです。AはBを信 頼し、Bが使用するものだと思って貸しているわけです。ですから、勝手に他 人に転貸しては、いけないわけです。

しかし、転貸借がなされたとしても、信頼関係を裏切った(これを背信行為と いいます)とは言えない特段の事情があるときには、賃貸人は解除できません (最判昭28年9月25日)。この場合には、たとえ転貸したとしても、まだ 信頼関係は続いていると考えられるわけです。


尚、適法に転貸借がなされたときには、AはBに対して賃借料を請求できます し、BはCに対して転借料を請求できます。

そして、BがCから転借料を受け取っておきながら、BがAに対して賃借料を 支払わないというような事態が生じますと、Aに酷です。

そこで、AはCに対して直接賃料を請求することができます。この場合、Aが 請求できるのは、Bに対する請求の範囲です。つまり、AB間の賃借料が5万 円、BC間の転借料が10万円だとすると、AがCに対して請求できるのは、 5万円です。


2、転貸借の終了

■(1)期間満了の場合
BC間の契約というものは、AB間の契約があるからこそ成立するものです。 AB間の契約があるので、Bは転貸人になれるわけです。

ということは、AB間の契約が終了すると、BC間の契約はその存在根拠を失 うことになります。つまり、AB間の契約が終了すると、Cは建物から出て行 かなくてはならないのが原則です。

しかし、このことをそのまま無条件にあてはめると、Cがかわいそうです。C は住む所がなくなってしまいます。

そこで、Cを保護する規定が定められています。

AB間の賃貸借が、期間が満了したため終了する場合には、AはCの保護のた め、転借人Cに通知する必要があるのです(借地借家法34条1項)。

この通知によって、Cは自分が出て行かなければならないことを、知ることが できるわけです。そして、6ヶ月経過することによって、契約は終了すること になります。ですから、この6ヶ月の間に、対策を練ることも可能なのです (引越し先を見つけるなど)。


■(2)合意解除の場合
これがAB間の賃貸借が、ABの合意解除によって終了した場合には、事情が 変わってきます。

この合意解除というのは、契約の途中でAB間で話し合いをし、このAB間の 契約を終わりにしようと合意することです。

この合意解除によってAB間の契約が終了する場合には、期間満了の場合とは 事情が変わってきます。まず、最初の話を思い出してください。そもそもAは、 通常BC間の転貸借に、承諾を与えています。

しかし、AB間で合意解除をし、Cの転貸借契約にも影響があるとすると、C が不利益を被ります。承諾を与えておきながら、AB間で合意解除をして、C の立場を不利にすることは許されません。これはCに酷です。

そこで、この場合には、AはBの地位を引き継ぐものとされています。ここ、 誤解しないで下さい。CがBの地位を引き継ぐのではなく、AがBの地位を引 き継ぎます。つまり、Cを保護するために、Cの地位には変更を与えないので す(大判昭9年3月7日)。


■(3)債務不履行の場合
期間満了の場合と合意解除の場合とでは事情が変わりますが、さらにAB間が Bの債務不履行を原因として解除された場合には、また事情が変わってきます。

そもそもAは建物を貸す代わりに、本来は賃料をもらえるはずです。Aのこの 賃料債権は保護されてしかるべきです。もし賃料をもらえないのであれば、A としてはBを追い出して、他の者に貸して他の者から賃料をもらいたいと思う はずです。

そこで、AB間が債務不履行解除の場合には、転借人Cは賃貸人Aに対して転 借権を主張できません(最判昭36年12月21日)。



このように、期間満了、合意解除、債務不履行解除と3つの場合で、それぞれ 結論が異なってきます。AB間の契約が終了するという点は同じでも、終了す る理由によって、その後の法律関係は変わってきます。それぞれを正確に覚え ておくことが必要です。



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