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抵当権





抵当権は、担保物権の分野の中では、一番の花形とも言える箇所です。行政書士試験、公務員試験 のいずれにおいても、また法学検定など他の資格試験、検定試験においても、出題の可能性は非常 に高いです。というよりも、抵当権の中からどこかが、ほぼ間違いなく出題されると言っても、過 言ではないでしょう。

ここでは、まずは抵当権の基本的なことをお話しますので、確実に押さえて下さい。

Aが、B銀行から平成10年4月1日に、お金を借りたとします。そして、Aが所有する土地に、 B銀行のために抵当権を設定しました。この場合、「平成10年4月1日の金銭消費貸借」のため に、抵当権が設定されていることになります。

この場合、B銀行のことを抵当権者、Aのことを抵当権設定者(または単に設定者)と言います。 さらに、この場合には債務者と設定者が一致しています。しかし、B銀行がAにお金を貸すにあたっ て、C所有の不動産に、抵当権を設定することもあります。このようなCのように、第三者が担保 提供する場合、その第三者Cのことを物上保証人と言います。

ちなみに、「平成10年4月1日の金銭消費貸借」のことを、被担保債権といいます。

このようにある特定の債権債務について、その債権を担保するために設定されるのが抵当権です。 そして抵当目的物の占有は、設定者に残されたままという特徴があります。つまり抵当権者である B銀行は、目的物である土地を占有しません。占有するのは、設定者であるAです。Aは、抵当権 が設定されている土地を占有したまま、自由に使用収益してよいのです。ですからAとしては、土 地に抵当権を設定しながら、その土地の上に建物を建てることも自由に出来ます。Aが建物を建て たとしても、B銀行としては、「抵当権の侵害だ」とは言えないことになります。

そして、6年後の平成16年4月1日に、借りたお金を、AがB銀行に対して返済したとします。

そうすると、まず、AB間の金銭消費貸借がなくなります。当たり前ですね。返済したのですから。
そして、この場合、さらに先ほどの抵当権も消滅します。Aが設定した抵当権は「平成10年4月 1日の金銭消費貸借」のために設定したものです。そして、この金銭消費貸借が返済によりなくなっ たわけですから、抵当権はその存在意義をなくしたわけです。これを「抵当権の附従性」といいま す。

もし、AがB銀行にお金を返済してくれなかった場合には、B銀行は土地をお金に換えて、そのお 金から優先して返済を受けることが出来ます。これを優先弁済的効力と言います。

なお、平成15年4月1日の段階で、B銀行がAに対する債権をC銀行に債権譲渡していた場合、 抵当権も債権にくっついて移転します。つまり、C銀行がAに対する債権者となり、抵当権者とな るわけです。これを「抵当権の随伴性」といいます。



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