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相殺





相殺は、資格試験における頻出事項です。行政書士試験、公務員試験のみなら ず、法学検定など、あらゆる資格試験において出題されています。これからも いつ出題されてもおかしくありません。まずは、相殺がどのようなものか、しっ かりと勉強しましょう。


■事例■
AがBに100万円貸しました。この場合、AはBに対して、100万円の金 銭債権を有しています(貸金債権)。同じ頃、AはBから100万円のダイヤ を買いました。よって、BはAに対して、100万円の金銭債権を有していま す(代金債権)。
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この場合、ABともに、お互いがお互いに対して、100万円を請求できます し、100万円を支払う必要があることになります。Aは貸金債権を有してい ますし、Bは代金債権を有していますからね。

このようなとき、お互いに100万円を支払い合うというのは、面倒だと思い ませんか。100万円が行ったり来たりするだけのようなカンジがしますよね !?それに、仮にAが支払えるとしても、Bも支払えるとは限りませんよね (つまりBにはお金がないかもしれないということです)。そうなると、真面 目に支払ったAが損することになり、妥当な結論とは思えません。

そこで、このような場合には、「お互いにお金を払うのをやめましょう」と言 えたら便利だと、思いませんか??これが、相殺という制度です。相殺は、い ずれか一方の意思表示によって、成立します。相殺をする人を相殺権者といい ます。

仮に、先ほどの例で、Aを相殺権者としましょう。このときAの有する貸金債 権を自働債権といいます。他方、Bの有する代金債権を受働債権といいます。


そして、相殺をするということは、相殺権者から見てみると、自働債権につい て、一方的に支払いをしてもらえるということ(逆に言えば、相手方は支払い を強制される)になります。又、受働債権については、自ら支払ったのと同じ になります。


相殺権者Aが、相殺の意思表示をすると、自働債権、受働債権ともに消滅して、 なくなります。その結果、お互いに支払う必要はないことになります。

但し、これは対等額の限度で、です。自働債権が100万円、受働債権が30 万円のときには、30万円の限度で消滅します。差額の自働債権70万円につ いては、依然残っているので、AはBに請求できます。当たり前ですよね。こ れで70万円についても消滅するなんてことになったら、たまったものではあ りません。誰も相殺という制度を、利用しなくなってしまいます。


まずは、相殺という制度がどういうものなのか、また自働債権や受働債権とい う言葉の意味をしっかりと理解して覚えましょう。



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