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錯誤



錯誤も意思表示の中で、重要な論点です。行政書士試験においても公務員試験に おいても、いつ出題されてもおかしくありません。まずは基本的事項をきちんと 押さえましょう。

■事例■
甲は、真実は本を買おうと思っていましたが、乙に対して「鉛筆を買う」と 口に出して言ってしまいました。そして、そう言ったことについて、甲は気が つきませんでした。
■  ■

ここでは、錯誤を取り上げます。錯誤というのは、心の中の真実の意思と実際に 口に出した意思が食い違う場合で、本人がそのことを知らない場合のことを言い ます。

この錯誤という言葉は、皆さん聞いたことがあると思います。勘違いとか、錯覚 に陥ったというような意味で、使っていると思います。イメージとしては、そ れでいいと思います。

上記の事例のような場合が、まさにそうです。心裡留保と違うところは、 「本人がそのことに気がついていない」という点です。

この場合、錯誤に基づく意思表示は無効となります。

それはなぜでしょうか。

いろいろなところでお話ししてますように、本人の意思に基づいているからこそ、 私的自治が成立し、その者が責任を負うわけです。

ところが、錯誤が生じている場合には、本人の真実の意思とは言えない事項 が、表示されています。このような状況は、私的自治の前提を欠いています。 上記事例の甲に、このまま責任を負わせては、かわいそうです。

しかも、甲自身はそのことを知らないのです。ここが心裡留保と、大きく違 うところです。甲自身が知らない以上は、「本人の意思に基づいて」とは言えない ことになるわけです。

ですから、錯誤は無効となるのです。

しかし、何でもかんでも無効としたのでは、今度は相手方乙がたまったもの ではありません。

そこで、「要素に錯誤がある場合」に無効となる旨を、法は定めています。 簡単に言えば、軽微な点に錯誤があるからと言って、無効にしていたのでは、 甲をあまりに保護しすぎですし、乙に酷だということです。「要素」に錯誤がある ときに無効になることにして、相手方とのバランスを保っているのです。

また、甲に重過失がある場合も、甲は無効主張できません。「重過失」とは 重大な過失という意味で、「うっかり」の度合いが大きいということです。 ちょっと注意すればよかったのに、その「ちょっと」の注意をしなかったとい うことです。


ところで、本来、無効というのは、誰かが「無効」と主張しなくても無効です。効力が 生じないのです。これが取り消しと違うところです。取り消しの場合は、取消 権者が「取消」と主張するまでは有効です。効力が生じています。

他方、無効の場合は、「無効」と主張しなくても、効力が生じないのです。 本来、無効とはそういうものです。

しかし、錯誤無効の場合は、違います。

そもそも錯誤無効は表意者(事例の甲)を保護するための制度です。先ほど からお話していますように、本人の真実の意思とは言えない事項が、表示され ている場合に、当該表意者に責任を負わせてはかわいそうだということで、表 意者を保護しているのです。

ですから、表意者甲が無効をのぞまないのであれば(つまり、錯誤がある状 態でかまわないと思っているならば)、その状態を変える必要はないと考えら れます。

その結果、表意者のみが、錯誤無効を主張しえることとしました。つまり、 錯誤無効は、「無効」とは言っても、「取消」に近い状態になっているのです。

では、表意者以外の人は、一切錯誤無効を主張できないのでしょうか。

そんなことはありません。できる場合もあります。このお話はちょっと細かい ので、ここでは省略します。ここでは、「他も者も錯誤無効を主張しうる場合 もある」ということを、覚えておいて下さい。



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