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債権譲渡





債権譲渡は、行政書士試験においても公務員試験においても、頻出事項です。 もちろん法学検定などの検定試験、他の資格試験においても同様に頻出事項で す。きちんと勉強して、理解をしておく必要があるでしょう。


ここでは、次のような事例を挙げて、お話を進めていきましょう。


■事例■
Aが甲に対して金銭債権を持っています。Aが債権者で、甲が債務者です。こ のとき、Aは自己が有する債権をBに対して譲渡しました。
■  ■


このように、債権を譲渡することを債権譲渡と言います。債権が譲渡されると、 AからBへ債権が移転し、Bが新債権者となります。債権譲渡がありますと、 Bが甲に対して
「お金を払え!」
と言えます。わかりますよね!?この場合、Aを譲渡人、Bを譲受人と言いま す。

この債権譲渡自体は、譲渡人(A)と譲受人(B)間の契約によって成立しま す。

しかし、このままでは、譲受人Bは債務者甲に対して、債権者としての立場を 主張できません。

これは、次のような理由によります。

そもそも、AB間の債権譲渡の契約は、甲の関知しない所でなされています。 AB間の契約だけで成立しますからね。

そのような中で、Bがいきなり甲に対して、自分が債権者であると主張したと ころで、Bとしては信用しないのが普通だと思います。偽の債権者だと思うの が、普通だろうと思います。つまり、債務者としては、新債権者Bから請求さ れても、支払わないことでしょう。

そこで、譲受人Bが、債務者甲に対して、債権譲渡を主張するためには、

「譲渡人Aからの債務者甲への通知」 又は 「債務者甲からの承諾」

のいずれかが必要となるのです。

このような通知又は承諾がなされれば、債務者としては、債権譲渡があったこ とがわかるわけです。債権譲渡があったことがわかるというのは、債務者から 見て誰が本物の債権者で、誰に支払えばよいかがわかるということです。

ここで、気をつけて下さい。債務者甲の承諾は、譲渡人Aに対してでも譲受人 Bに対してでも、いずれに対してなされてもかまいません。

しかし、通知は、譲渡人Aの方から、なされなければなりません。ここで譲受 人からなされた通知でもよいとすると、不都合な事態が生じるのがわかります でしょうか。

それは、譲受人は、常に真実債権譲渡がなされたときだけ、通知をなすとは限 らないということです。譲受人は、真実は債権譲渡がなされていないにもかか わらず、債務者に対して通知をすることによって、自分が債権者であると主張 して、金銭の支払請求をしかねません。このような事態は、認めるべきではあ りません。

そのため、譲渡人から債務者に対して、通知をなす必要があるのです。権利を 失う側の人間が言っているのだから、間違いないだろう、ということです。


そして、このとき譲受人が譲渡人を代位して通知をなすことも、認められてい ません。これも、譲受人は真実債権譲渡があったときだけ債権譲渡の通知をな すとは限らない、ということです。



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