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無権代理





無権代理というのは、字そのままの意味で、「代理権がない」という意味です。

乙が、勝手に甲の代理人として(本人甲、代理人乙)、丙所有の土地を丙か ら買ってしまうというのが典型例です。この場合の乙を、無権代理人と言いま す。あまりないかもしれませんが、あくまでイメージとして考えてみて下さい。

この無権代理ですが、ちょっと次のような事例を考えてみましょう。

■事例■
甲が乙に対して、車を売ることの代理権を与えました。ところが乙は、丙に甲 所有の土地を売ってきました。
■  ■

このような事例も、あまりないかもしれませんが、あくまで教室事例です。

この場合、乙は「車を売る」ことについての代理権は有していますが、「土 地を売る」ことについての代理権は有しておりません。当たり前ですよね。こ のような場合も、無権代理となります。

与えられた代理権の範囲の中で、行動するから有権代理(代理権があるとい うこと)になるわけです。ですから、そもそも全く何らの代理権も与えられて いない場合だけでなく、与えられた代理権の範囲以外のことを行った場合も、 無権代理となります。

ただ、事例の場合には、「表見代理」というものが成立する可能性があり ます。これについては、別途取り上げます。とりあえず今は、当該事項につき 代理権がなければ、無権代理なのだということを押さえて下さい。

いずれとしてましても、無権代理の場合には、本人には効果帰属はしません。 つまり、事例の場合で言えば、甲は売主にはならない、ということです。

もちろん、甲は追認をすることが出来ます。甲が追認すれば、甲に効果帰属 します。つまりこの場合には、乙が代理権を有し、その代理権に基づいてなさ れたのと、同じことになります。



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