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民法・総論



行政書士試験にしろ、公務員試験にしろ、はたまた他の資格試験にしろ、民法 が占めるウェートは大きいと思います。民法は分量(条文数)も多いですから、 途中で挫折しやすいです。当サイトでは、なるべくわかりやすく解説していき ます。まずこのページでは、そもそも民法ってどういうものなのかという話と ともに、民法の基本的な考えをお話します。


民法とは
民法というのは、私法という分野の一つの法律です。「私」という言葉が付く ことからも想像できるかと思いますが、私人と私人との間の事を定めた法律です。

法というものは、大きく2つの分野に分かれます。公法と私法です。

公法というのは、公権力(代表例が国です)と私人との間を定めています。 正確にはそれだけではないのですが、イメージとして、こういうカンジで考え て下さい。

公法の代表例が憲法です。憲法には、自由権などの国民の権利が定められて おり、これらの権利を国に対して主張できる旨が定められています。 刑法もそうです。刑法には、このような行為は犯罪ですよ、国家権力が逮捕 しにきますよ、という規定が並んでいます。

これらの法は、公権力という「大きな組織 対 一個人」との間のことを規定 しています。通常、力関係を見ると、国は大きく、私人は小さいです。とて も対等とは言えません。


民法の三大原則
(1)私的自治の原則
これら公法に対して、民法は国などの公権力は関係ありません(もちろん無 関係ではないです)。「一個人 対 一個人」の間の事です。対等な当事者同 士です。ですから、当事者間で「これでいいじゃないか」と取り決めることが 出来ます。これを私的自治の原則と言います。当事者間の事は、当事者に任せ ようということです(もちろん限界はありますよ)。

この私的自治以外にも、民法には大原則と言われるものがあと2つあります。

(2)過失責任主義の原則
まず、過失責任主義の原則というものです。これは、何らかの責任を負うには、 故意があれば当然ですが、少なくとも過失がなければならないというものです。 過失というのは、簡単に言えば落ち度です。何ら落ち度がないにもかかわらず、 責任を負うことはないということです。ここで言う責任とは、損害賠償を負担 したり、解除されたりということです。これにも、もちろん限界、つまり例外 はあります。

(3)所有権絶対の原則
次に、所有権絶対の原則というものです。所有権という言葉は聞いたことがあ ると思います。私のモノだ、とか誰々のモノということです。説明するまでも なかったですね。すみません。

この所有権は絶対的に保障されるというのが、所有権絶対の原則です。他人 はその所有権を制約することはできないというものです(もちろん、これにも 例外はあります。)。

(4)変容について
これら3つの原則は、民法が出来上がった当時は、そのまま妥当したかもし れません。

しかし、現代においては、どの原則も変容しており、それぞれに例外があり ます。所有権が絶対ではないのは、皆さんも感覚的にわかりますよね。例えば、 高速道路や新幹線をつくるために、土地を手放したりするのを、テレビや新聞 などで御覧になったことがあると思います。

他にも、例えば会社と一従業員では、力関係が対等とは、とても思えません。 そこで、これを修正する必要が、出てくるわけです。

ここら辺のことは、最初から細かい点を覚えるたりする必要はないのですが、 「変容しているんだ」ということを、頭の中に入れておいて下さい。

そして、これらの3つの大原則は、何をもって三大原則とするかは、いろい ろ争いのあるところです。皆さんのテキストには、別の3つを取り上げて記載 されているかもしれません。でもあまり気にしないで下さい。「民法の三大原 則はどれか」というような問題は出題されないと思います。それよりも、こう いった考えが民法の根底にはあるんだ、ということを覚えておいて下さい。



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