×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。


「公務員試験・行政書士試験合格!民法勉強講座」のトップページ>共有


共有



1、総論
民法の規定は、そもそもは一つの物を一人の人が所有することを、予定しています。 これを単独で(つまり一人で)所有することから、単独所有(略して単有)と言い ます。

しかし、一つの物を複数で(例えば二人で)所有することもあります。日常生活の 中でも、友人と二人で、又は夫婦二人で半分ずつお金を出し合って、一つの物を買 うことがあると思います。

このような場合は、複数の人が共同で所有することになります。これを共同所有、 もしくは共有と言います。ちなみに複数であれば、それが何人であってもかまいま せん。また、複数の法人で共有してもかまいませんし、個人と法人で共有してもか まいません。


■事例■
ABCの三人が、一棟の甲建物を3分の1ずつ共有していました。
■  ■


この事例を前提とします。

三人が3分の1ずつ持っている、それぞれの部分のことを「持分」と言います。例 えば、「Aは甲建物について、3分の1の持分を有している」という言い方をしま す。

事例の場合にはそれぞれの持分は等しいですが、持分は常に等しいとは限りません。 例えば、Aの持分が5分の3、Bが5分の1、Cも5分の1という場合もありえま す。それぞれの状況により異なりえます。

ただ、もし三人の間で持分が決まっていない場合には、持分は等しいものと推定さ れます。


ここで突然ですが、Aが自分の持分を放棄したらどうなるのでしょうか。例えば、 Aが「自分の3分の1の持分は、もういらない」と言ったような場合です。

このように、Aが持分を放棄した場合には、Aの持分は他の二人BCに移転します。

事例の場合ですと、Aの持分が6分の1ずつそれぞれBとCへ移転します。


なお、共有の問題を考えるときには、「所有権」についての場面なのか(簡単に言 えばABCを合算したもの)、それとも「持分」についての場面なのか(ABCの それぞれが有している3分の1)を厳格に区別して下さい。そうでないと、何の話 をしているのかがわからなくなると思います。


2、保存・管理・変更
■(1)はじめに
共有は、複数の人で所有するわけですから、お互いに協力するところは協力しない と、円滑に物事が進みません。事例の場合で言えば、Aは売却したいのに、Bは賃 貸したい、Cは自分が使いたいと言って、お互いに譲らないのであれば、物事が先 に進みません。

そこで、法は、このような状態になったときのため、共有者間の利害を調整するた めの規定を置いています。


以下で、そのような事態の中で、代表的な事項につき、お話していきます。


■(2)保存
保存行為とは、現状の状況を維持するための行為です。例えば、家の雨漏りを直す、 ということです。イメージできますよね。具体的にどんなことが保存行為に該当す るのか、ある程度は覚えておく必要があります。

不法占拠者に対する明渡請求は、覚えておくべき代表例の一つです。この不法占拠 者に対する明渡請求は、保存行為とされています。不法占拠者というのは、何らの 権原もないのに、建物に居座っているような者のことです。

そして、この保存行為は、各共有者が単独で出来ます。

要するに、先ほどの事例で言えば、甲建物に不法占拠者Xがいる場合、AもBもC もそれぞれが単独で不法占拠者Xに対して「出て行け、建物を明け渡せ!」と言え るということです。まあ常識的に考えても、このような主張は出来て当然だと思い ますよね。不法占拠者Xには何らの権原もないわけですからね。


でも、ここで気をつけないといけないことがあります。損害賠償は、自己の持分の みです。

例えば、事例のように、ABCが各3分の1ずつ共有している建物があったとしま す。そこに、不法占拠者Xがいました。このとき、AもBもCも単独でXに対して 明渡請求ができます。

この場合、Xが占拠していたことによって、AもBもCも損害を被っています。こ の被った損害についての賠償請求は、自己の持分のみしか出来ません。例えば全部 で30万円の損害が発生している場合には、AもBもCも、各10万円についての み請求できます。Aが全額の30万円を請求することはできません。


■(3)管理
管理行為(252条本文)とは、利用したり改良したりする行為を言います。

具体的な事例としては、事例のABCが共有している甲建物を、第三者Yと賃貸借 契約を結ぶ場合です。賃貸借契約の締結は、管理行為とされています。この管理行 為は持分価格の過半数で、決定します。


先ほどの事例を少し変えて、A5分の3、B5分の1、C5分の1ずつ各持分価格 を有していたとします。

このとき、Aは単独で賃貸借を締結できます。Aは5分の3を有しているので、過 半数を超えているからです。

なお、ここでいう、過半数は、頭数の過半数ではないので、注意が必要です。

賃貸借契約の締結が管理行為とされていることから、賃貸借契約の解除も管理行為 とされています。管理行為に該当するので、賃貸借契約の解除は持分価格の過半数 で決定します。


■(4)変更
変更行為(251条)とは、変化させるようなことを言います。法律上の処分も変 更です。

変更の代表例を挙げてみますと、売却があります。この変更行為をなすには、共有 者全員の同意が必要です。

ここで、注意をしなければならないことがあります。変更行為として、全員の同意 が必要な売却は「所有権」の売却です。「持分」の売却ではありません。

先ほどの事例で言いますと、Aが3分の1、Bが3分の1、Cが3分の1ずつ共有 している建物です。このときAが所有権たる3分の3(つまり甲建物全部)を売却 するには、BとCの同意が必要です。

しかし、A持分たる所有権の3分の1を売却する場合には、BやCの同意は不要で す。

「所有権」の場面なのか「持分」の場面なのか、きちんと区別するということです。

売買契約の締結が変更行為とされていることから、売買契約の解除も変更行為とさ れています。変更行為に該当するので、共有者全員の同意が必要です。


同じ解除であっても、賃貸借契約の解除なのか、売買契約の解除なのかによって、 扱いが異なります。これはそもそもの契約締結が管理行為と変更行為とで異なるか らです。ですので、何の契約の解除なのかに気をつける必要があります。



無断転載・転送を禁じます。


[トップページへ戻る]

Copyright(C)2006 後藤行政書士事務所 All Rights Reserved.