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瑕疵担保責任



1、総論
ここでは、まず次の事例を取り上げます。


■事例■
Aが中古車を所有していました。Bがその中古車をAより購入しました。しか し、その中古車には、ちょっと気がつかないところに隠れた故障がありました。 その場合、BとしてはAに対して損害賠償や解除を主張して、Aの責任を追及 できるのでしょうか。
■  ■


以上の事例を前提にして、瑕疵担保責任(570条)について話を進めていき たいと思います。ちなみに、「瑕疵」は「かし」と読みます。なかなか読めな いですよね。これを機会に覚えて下さい。瑕疵とは、簡単に言えば傷のことで す。事例に即して言えば、故障のことです。



2、趣旨
この瑕疵担保責任の制度趣旨を最初に申し上げます。瑕疵担保責任の制度趣旨 は、契約における両当事者間(事例の売主Aと買主B)の公平を図る点にあり ます。


事例における中古車の値段が100万円だとします。購入した車が、このまま 普通に走ってくれれば、問題はありません。

しかし、見えないところに故障があることによって、走らなかったり、走るけ れども修理が必要だったりしたとします。

そうすると、中古車と100万円とはつりあわないことになります。イメージ としては、天秤の両側のはかりに「中古車」と「100万円」をのせると、バ ランスがとれないということです。これでは、両当事者間の公平が図れないで すよね。そもそも車が走ると思って100万円で購入しているわけですが、そ の車が走らないわけですからね。

そこで、公平を図り、中古車と金銭とを吊り合わせるために、瑕疵担保責任の 制度があるのです。


では、両者をつりあわせるためにはどうすればよいか、簡単に考えてみましょ う。

まず、100万円も中古車も天秤の上から取ってしまえば、天秤はつりあいま す。何もない状態ですから、当然ですね。

また、中古車は故障している分、価値が低いということになりますので、故障 分の値段を下げると天秤はつりあうことになるかもしれません。また、売主A が故障分のお金を買主Bに支払うという方法もあるかもしれません。

つりあわせるためのこういった方法は認められているのか、また認められると しても常に認められるのか、それをこれから見ていくわけです。


3、具体的内容
制度趣旨を理解したところで、具体的な内容に入っていきます。

■(1)買主の善意
まず、前提として買主Bは、瑕疵の存在について善意である必要があります。 悪意の買主Bは、損害賠償や解除を主張できません。

悪意の場合には、瑕疵の事を承知したうえで購入したものと考えられます。つ まり、つりあわない状態を承知して、購入しているということです。このよう な悪意の者に、損害賠償や解除を認める必要はありません。


■(2)隠れた瑕疵
瑕疵は、隠れた瑕疵であることが必要です。例えば見た瞬間に誰でもわかるよ うなところに瑕疵があったとしても、その場合には通常はその瑕疵を承知の上 で購入するものです。いくら瑕疵があるとは言っても、誰でも瑕疵がわかるよ うな場合に、後から責任追及することはできません。

瑕疵が隠れているから、買主は善意の可能性があるわけです。隠れていなけれ ば、通常は買主は悪意になるはずです。なので、隠れた瑕疵というのは、買主 の善意と密接につながっているのです。もちろん、隠れた瑕疵があるけれども、 買主は悪意ということもありえますけどね。


■(3)無過失責任
もう一つ前提があります。

ここでの瑕疵担保責任は無過失責任です。過失責任主義の例外の一つであり、 売主は過失がなくても責任を負うことになるのです。


以上、(1)〜(3)のことを前提にします。


■(4)買主の主張
先ほどの事例のような瑕疵担保責任において、買主が出来ることは二つです。

 1、損害賠償請求
 2、目的不到達の場合に解除

故障があるといっても、故障にも程度があります。

中古車のちょっと気づかないところに故障があったけれども、修理すればなお るようなときは、その分の損害賠償請求ができます。

イメージとしては、「100万円の現金」と「70万円分の価値の中古車」が 天秤にのっているわけです。

このままではつりあわないので、Bが「30万円の現金」を請求するわけです。 そうすれば、「70万円分の価値の中古車」に「30万円の現金」が足される ので、それで「100万円の現金」とつりあう状況を作るということです。


しかし、修理してもなおらないような場合(つまり、事例の場合は車が走らな いような場合です)には、解除が出来ます。通常、中古車は、これから乗って 走るために買うはずです。ですから車が走らなければ、目的不到達と言えます ね。

解除するということは、両方とも天秤の上から取ってしまうということです。 天秤の上から車もお金も取ってしまえば、何もなくなりますからつりあいます よね。ただ、このようにしてつりあう状態を作るのは、目的が不到達の場合に 限られるということです。


■(5)主張期間
このように売主は、無過失であるにもかかわらず、損害賠償の責任を負い、ま た解除されるかもしれない立場にあるわけです。このような立場に、いつまで も売主をおいていたのでは、売主に酷です。

そこで、買主は瑕疵の存在を知った時から一年間に限り、売主に責任追及がで きることとされています。

引っ掛けで「契約締結時から一年間」と出題されることも考えられます。間違 えないで下さい。「知った時から一年」です。

買主はそもそも善意でなければ、売主に責任追及できません。同時に、買主と しては瑕疵の存在を知らなければ、責任追及はできません。つまり、契約締結 時は善意だったんだけれども、そのあとに瑕疵の存在を知るわけです。なので、 その瑕疵の存在を知った時から責任追及の期間が始まるわけです。

「契約締結時から」とすると、瑕疵を知らないまま(善意のまま)一年間が経 過してしまいかねません。そこで「知った時から一年」となっているのです。



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