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委任



売買や賃貸借ほどではないですが、委任は債権各論の中ではわりと出題されて いる分野だと思います。代理とも絡んできますし、行政書士は、依頼者から委 任を受けての仕事であることから、出題される可能性があるのかもしれません。


委任に限りませんが、債権各論の各契約は、他の契約と比較しながら特長をつ かんで理解し、覚えていくのが得策かと思います。

まずは、次の事例を前提にして、お話していきましょう。


■事例■
AはBに対して、Cの土地を買うための権限を委任した。
■  ■


委任契約とは、事例の場合のように、委任者(事例のA)が受任者(事例のB) に対して、法律行為(簡単に言えば、売買契約などの契約のことです)をする ことを頼み、受任者(事例のB)がそれを受けることによって成立する契約の ことです。

委任をする人(事例のA)を委任者、委任される人(事例のB)を受任者と言 います。この辺の言葉は、なんとなくイメージできると思います。


無償性
委任契約は、原則として無償です。この無償と言うのは、つまり、受任者は報 酬の請求が出来ないということです。

これは、本来は委任というものは、ある人(受任者)がある人(委任者)のた めに無償でやってあげるものだということです。わかるようでわからない理 由ですよね。

よって、特約がなければ報酬の請求が出来ません。逆に言えば、特約があれば、 報酬の請求が出来ます。


善管注意義務
受任者は善良なる管理者の注意義務(これを善管注意義務と言います)を負っ ています。この善管注意義務というのは、簡単に言えば、「自分の事をやると きよりも、注意深く行わなければならない義務」ということです。

これは、それだけ委任契約は、人と人との間の信頼関係のうえに成り立ってい るので、委任者のために尽くさなければならないということです。

たとえ無償で報酬が請求できなかったとしても、受任者は善管注意義務を負い ます。報酬が請求できないんだったら、「こんな義務を負担しなくてもいいじゃ ないか」と考える方もいるかもしれません。でもダメです。無償でも善管義務 を負担します。

なお、寄託契約は、有償の場合には善管注意義務を負いますが、無償の場合に は自己の場合と同一の注意義務を負うことになります。ここら辺は比較されて 出題される可能性も高いですから、きちんと覚えましょう。


解除
委任契約においては、委任者と受任者はいつでも契約を解除することができま す。これは、報酬の支払いの有無には関係ありません。このように解除権が認 められているのは、なぜでしょうか。

これもやはり委任契約が信頼関係に基づく所からきています。当事者は信頼関 係があるからこそ委任するのです。日常生活でも、信用していない人にモノを 頼むことなんて、あまりないですよね。

ですから、信頼関係が壊れたと思えば、当事者はいつでも契約を解除すること が出来ます。

信頼関係が壊れているにもかかわらず、いつまでも委任を続けるというのでは、 たまったものではありませんもんね。AB間の信頼関係が壊れているにもかか わらず、BはAのために土地を買うというのは、奇異な感じがしますよね。信 頼関係が壊れている段階では、受任者Bは、Cの土地を不要に高く買い受ける かもしれません。そのような事態を避けるためにも、解除権を認めたのです。

また、信頼関係が壊れていなかったとしても、もし当事者が「イヤだ!解除し たい!!」と思えば、いつでも解除できることにして、当事者の保護を図って いるのです。「イヤだ」と思っているのに委任契約を続けるのは、無意味です もんね。でも、予め解除権を放棄しているような場合は、ダメですよ。

但し、相手方がこの解除によって不利益を被った場合には、損害を賠償しなけ ればなりません。これは当たり前ですよね。いったんは委任契約を結んでいる わけですからね。



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