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第三者による詐欺



ここでは「第三者による詐欺」を見ていきましょう。資格試験対策としては、あまり出 題されないかもしれませんが、知っておいて損はありません。


■事例■
Aがその所有する土地をBに売りました。しかし、そのAB間の売買はCによる詐欺で した。この場合、AはAB間の売買を取消しうるでしょうか。
■  ■

一般的な事例では、契約の相手方が詐欺をなすことを思い描くかと思います。でも、こ こでの話しは違います。契約の相手方ではなく、全く別の人(つまり第三者)が詐欺を 行います。また、ここで言う「第三者」とは「転得者」とも違います。この点は、気を つけて下さい。

結論から言いますと、このような場合、AB間の事情につきBが悪意の場合のみ、Aは 取消しうることになります。つまり、AはCによる詐欺があったからだまされてBに土 地を売ったということを、Bが売買契約当時に知っていたという場合にのみ、Aは取消 しうるということです。

それはなぜでしょうか?理由を考えてみましょう。

上記の例で、誰が一番悪者でしょうか?

言うまでもなく詐欺をしたCです。

では、AとBではどちらの方が悪い(つまり保護されなくてもしょうがないか、という ことです)のでしょうか?

この場合、確かにAは詐欺されているわけですから、かわいそうです。保護してあげた いです。
しかし、ここで無条件にAを保護するということは、Bを保護しないということを意味 します。今度は、それではBがかわいそうです。Bは何も悪くありません。

そこで、Aが詐欺されたという事情をBが知っているならば(つまり悪意であるならば)、 かかるBを保護する必要はない、ということでAの取消を認め、Aを保護することに法 律の規定はなっているわけです。Bが悪意であるならば、Bとしては「いずれAが詐欺 取消をするかもしれない」と予想できますからね。



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