代理 |
|
まず、代理が成立するためにはどういう事柄が必要か、事例を通して見ていきま しょう。 ■事例■ AがBに、A所有の土地の売却の代理権を与えました。BはCとの間で、売買 契約を結びました。 ■ ■ まず、事例のような場合、Aを本人、Bを代理人、Cを相手方という言い方 をします。この言い方は覚えて下さい。 代理が成立するためには、一定の要件があります。要件というのは、ある事柄が 成立したり発生したりするために必要なもの、というぐらいの意味です。 ここにあてはめると、「代理が成立するために必要なもの」ということです。 【代理の成立要件】 1、AがBに代理権を与えること 2、Bが「私はAの代理人Bです」と表示する 3、BにAのためにする意思(代理意思)があること 4、BC間で有効に法律行為がなされること (BC間で有効に契約が締結された、ということです) 上記の2と3と4を合わせて、「代理行為」ということもあります。 これは覚えて下さい。 有効にBC間で契約が締結されると、その契約の効果はAC間に帰属します。 これはわかりますよね。そのための代理なんですから。 契約によって発生する権利を有し、義務を負うのはAです(Cは当然)。B は、負いません。 とすれば、Bは義務を負わないわけですから、代理人たるBはどのような人で あっても、B自身に不利益はないはずです(「どのような」という言い方には 語弊があるかもしれませんが)。 よって、法は、代理人は能力者であることを要しない旨を定めています。こ れは、制限能力者でもよいことを意味しています。例えば、未成年者でもよい のです。未成年者が代理人になったとしても、何ら義務を負わないので、未成 年者の保護に欠けるところはないわけです。 他方、本人Aは自ら制限能力者を代理人に選んでいるので、その結果を受け 入れるべき立場にあるわけです。事例に当てはめてみますと、A所有の土地が本来 なら5000万円で売れるはずの土地だとしても、未成年者Bが判断能力が 乏しいばっかりに、Cに対して3000万円で売却したとしても、Aは自ら 未成年者を代理人に選んでいる以上、仕方がないのです。 無断転載・転送を禁じます。 Copyright(C)2006 後藤行政書士事務所 All Rights Reserved. |