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代物弁済




ここでは代物弁済(482条)を取り上げます。まず次の事例を取り上げます。


■事例■
BはAから1000万円を借りていました(債権者A、債務者B)。しかしお 金がないBは、弁済期になっても、Aに1000万円を返済できませんでした。 Bは他にめぼしい財産として、1000万円相当の土地がありました。
■  ■


本来、お金を借りた場合には、お金を返さなくてはなりません。当たり前の話 ですよね。

でも、お金が返せなかった場合に、代わりにそれ相応の価値の物をあげること によって勘弁してもらう。こういうことは、日常生活の中でもわりとよくある ことだと思います。これが代物弁済です。「代わりの物による弁済」というこ とです。

ここで気をつけなければならないのは、代物弁済が有効であるためには、債権 者(事例のA)の承諾が必要です。

これはちょっと考えてみればわかりますよね。

そもそも債権者Aとしては、お金が返ってくると思っているわけです。それが 自分には何の落ち度もないにもかかわらず、一方的に他の代わりの物で弁済さ れたのでは、債権者としてはたまったものではありません。

そこで、債権者Aの承諾が必要となってくるわけです。


ですので、債務者だけの判断で、代わりの物で債務を消滅させることは出来ま せん。債権者の承諾が必要です。

事例の場合ですと、債権者Aの承諾があれば、債務者Bは当該土地を譲渡する ことによって、債務を消滅させることができるわけです。

つまりAが「お金の代わりに土地でいいよ」と言ってくれれば、Bの債務が消 滅するわけです。

このことを代物弁済といいます。


なお、別に代物弁済は、土地である必要はありません。車でもいいですし、ダ イヤモンドでもいいです。有名な画家の絵画でもいいです。もちろん私が描い た絵でもいいんです。なんでもいいんです。まあ、私が描いた絵で納得する債 権者はいないと思いますが、万が一、債権者がそれで納得して承諾してくれれ ば、代物弁済としては有効です。ようは、債権者が納得してくれて当該物で承 諾してくれればいいというわけです。



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